今日見た夢

2009年2月1日
夢に知っている人や知っている場所が出てくることはあまりないのだけれど、今日の夢は知らない場所によく知っている人とあまり知らない人、ぜんぜん知らない人が出てくる、というものだった。

帽子あるいはシルクフラワーかなにかのアトリエにいて、過去、そのアトリエの作品が使われた大判の写真集を見ている。皇族ばかりで、しかもブレていたり、ちゃんと写っていれば報道写真の味気なさで、さらにその写真集がバラバラになりそうなボロさではらはらしながら見ている。そこでなぜか幼なじみがわたしをミッチーに「この人はこの写真集にも出てくる●●な学校を5年で退学になって云々」というところを枕に、いかにオリジナリティーがあるか、という観点から説明してくれるのだが、なんだかいたたまれない気分に。

そのうちにそのアトリエの周辺を散歩することになる。路地裏にある四角いドッジボールのコートで、小学校中~高学年くらいの男子チームと女子チームが試合をしている。観客席はそのコートの長いほうの辺に沿って、勾配のきつい階段状。ミッチーが二種類のりんごジュースと缶コーヒーを買って持っていて、なぜか横に座ったわたしは彼の飲みかけの缶コーヒーを飲んでいて特に違和感を感じない(ちなみに実生活では缶コーヒーは大嫌いです)。

こうして書いている間にも、細かい情景が文字に起こせないままこぼれ落ちていくのは夢が記憶するためのものではないからだろうか。

今日見た夢

2009年1月24日
ボケないうちに癌であっという間に亡くなった祖母が出てきた。夢の中の祖母はなぜか目がポメラニアンのそれで(これはこの夢を見る睡眠に入る直前までポメラニアンのダイエットに関する番組を見ていたせいだと思われる。祖母は、いつもダイエットが必要なほど太っていた)、黒目がちというよりほぼすべて黒目であるのが怖かったが、それが夢の中では祖母のボケの象徴となっているようなのであった。

場所は今はもうない幼いころのわたしと祖母が暮らしていた木造二階建て日本家屋で、その1階のどこかがボケてしまった祖母の座敷牢のような薄暗い部屋なのだった。

いろいろ夢の中では起こった気がするが、即日、書き留めなかったので、こんなことしか覚えていない。しかし、祖母がボケないうちに亡くなったのはよかったんだろうな、やはり、と目覚めて思ったことは覚えている。

きゅーしゅつ

2008年12月23日
救出じゃなくて休出。ほんとに新年リリース分を今週金曜の4時50分までに手配し終えることができるのか、はなはだ不安になってきた。先週金曜が締め切りだったのに、まだ入稿してない部署があるので、休出したけどあまりはかどらなかったし。

帰ってきてリストやショパンばっかり聞いている。天才の仕事を聞くというのは、自分はしょせん完璧な仕事なんかできっこないと諦めをつける、という後ろ向きすれすれの、きわめて現実的に腹を括るのに役立つと思う。
毒舌女子だらけの忘年会で、名誉男性的な女性についての話になる。

名誉男性的な女性というのは、自称「あたしってサバサバした性格だから、男の人とのほうが話しやすいのよね」とか言うたぐいの女性。忘年会参加者の職業柄もあって、その手の女性との遭遇率はみなけっこう高い。

かくいう私も「女子だけで群れてるネチネチした女子校っぽいノリって苦手で~」とその手の女性に言われたことがあるけれど、彼女の考えるような「女子校」はリアルな女子校とはだいぶ違うんじゃないかと思う。

少なくとも私が籍を置いていた女子校は、生徒が女子だけ&進学校なのでベテランお年寄り先生だらけという環境で、早弁当たり前、暑いときはスカートばっさばっささせて風を送り込んで壮年男性教師に嘆かれたりなどなど、みなガサツ化していたし、連れ立ってトイレに行くという文化もなかった。基本的に好き勝手が許される空間で楽だったなあ。

そういう空間から男女共学な大学とかに行くと、女子でありブサイクではないというだけで気遣われるということにびっくりして挙動不審になったり、ずっと共学で来た女子の男子と女子との前での態度の違いにびっくりしたりする。

むしろマンガや小説にある、女子校のおしとやかでありながら腹に含むところある発言をしながら権力を奪い合ったりとかっていうのは、男子の目がある共学という状況じゃなきゃ発生しないだろうと両方の環境に身を置くとわかる。でもって今回その手のに辟易させられてる女子は、女子校出身とか女子比率の高い大学の学部出身だったりして、口々にこんな言葉が出た。

「あー、いるいるー。でも一皮剥くと単なる男好きだったりするよねー」
「そういう人だけ集めたコミュ作って観察したい」
「名誉男性度を競う書き込みだらけになるんじゃない?」
「えー、『女子校っぽいの苦手~』とかほんとに言うひといるんだ!」

女子校とか、女子校的な状況に身を置くことで得られることとして、男子の前と女子の前で態度を使い分ける女子へのちょっとした嫌悪というのがある。

男子受けを優先させるあまり女子との関係の作り方を置き忘れてきたくせに「女子校っぽく群れるのって苦手」とか自分のせいじゃないような言い方をする名誉男性な女子が想定する「女子校」っていうのは妄想の産物に過ぎないよな、と思いつつ、『マリみて』を読むのはけっこう好き。まああれはライトな百合だから興味深いわけだけど。

夏より冬

2008年12月18日
夏の太陽光線に照らされると性欲が増す、だから夏は開放的になりがち、みたいなヨタ話っぽいニュースを昔読んだことがあるけど、自分に関して言えば夏は熱さでぐったりしてしまって、あまり回数が増えないように思う。むしろ冬のほうが「さむいね」「さむいね」とかいってくっついててついつい、って、回数が増えてるような。

それもあってか、さいきんうちで痴漢ごっこが流行中。といっても「やっ…、やめてくださいッ」とかいうハードなのじゃなく、洗い物してるのを通りすがりにお尻をぺらっと触る、とか、ベッドの脇に立ってメイクしたりしてると太ももを撫でられたりとか。あと朝、目が覚めかけて朦朧としてるとき、後ろから押し付けられて出社したくなくなったりとか。

でも相変わらず体力ナシなので、軽いスキンシップは増えてもセックスの回数はそう増えてない。こないだなんてあやうくセックスレス基準である「1ヶ月性交なし」になるとこだったし。

実質、あと一週間

2008年12月17日
ほんとに終わるのか? しかし、新年リリースのものが終わらなければ仕事納めにならないのも事実。

ようやく仕事のサイクルに慣れては来たが、まだまだ詰めが甘い後輩と、あいさつだけはできるようになったが、相変わらず仕事の速度と精度が上がらない×××を擁したチームでどうなるのかと、非常に不安な気分で眠れないので起きてきてしまった。

×××があいさつをするようになったのは、上司からn回目のイエローカードが出されたほかに、私が彼に出したメールによる効果もあったかもしれない。とはいえ×××はネットリテラシーが極めて低く、業務上致し方なく×××のIDでログインした際、そのメールボックスは未読メールだらけだったから、読んでいるかどうかははなはだ疑問ではあるのだけれど。

ちなみに×××とはここ1ヶ月、組んで仕事をしていない私である。×××と組むことによりストレスで内臓がやられていまだ投薬治療中の編集デスクであるところの私の体調が悪化(たとえば急性腎炎とか急性膵炎で救急車→引継ぎできず入院加療とか)した場合、原稿料の多い年末~年度末が乗り切れないという編集長の判断により、×××の出社日は先輩が×××と組むという変則的な事態になっている。

とりあえず、なにごともなく終わることを想定して、自宅鍋会用に美しすぎるマクロビなケーキをホールで注文した。しかし、こんなわかりやすいニンジンがぶら下がっていても、私だけががんばるんじゃ限界がありすぎる、ということを考え始めると、また眠りに入る機を逸してしまいそうだ。
「絶対騙されてるって!」
私が昔の恋人αの家の鍵をいまだに持っている、という話を現在の恋人である彼が他人にすると、10人中8人はタイトルのようなことを言うらしい。ちなみに、鍵はなにに使うかというと、今でも気が向いたときには、αと住んでいた時に飼っていておいてきた猫に会いに行く、ということなのだが、と内訳を話すと、

「まあ、離婚しておいてきた子どもに会いに行くようなもん?」

と納得する人もいたりいなかったり。さらにそれが騙しのテクニックの一つだ! と言う人もいたりするらしい。αとはほんとになにもないんですけどね。ただ、猫はなあ。猫を小さな時から飼ったことがあれば、あれがどんなに離れがたい生き物かわかると思うんだけど。

とはいえ、この猫、置いてきた子どもというより、居丈高な姑のようでもある。もう猫年齢では私より年上になってしまったし、日がな1日、隣の工事現場を窓辺で見張っていたり、遊びに行くと「なんでもっと来ない!」と口うるさいし(猫語は不明だけど口調でそう感じる)。

まあ、姑というよりツンデレ女王様ですから、しかたがありません。拝謁できるだけでも光栄と思わないと。

今朝の夢

2008年11月24日
比較的仲の良い女友達に、いつのまにか小学校中学年くらいの男児がいる。欅の植わった広い中庭のあるマンションに彼女達は住んでいる。彼ら友達親子と私とで吉祥寺に遊びに行くが、なぜか人買いのような男にアニメスタジオに連れて行かれ、職務内容を説明される。雑居ビルの中に連れていかれたのに、妙に天井が高く、しかしそのなかを区切って使っていて、屋根裏のような狭苦しい部屋あり、本棚が天井まで届き壁のみならず間仕切りもしている図書館のような部屋あり。

女友達は本屋のレシートを押し付けて逃れ出て行ってしまう。やや考えて、「ああ、この本屋にいるから落ち合おうってことか」と、得心する。その間も業務内容の説明は続き、「アニメはどうやって作ると思う?」と質問され、「脚本部門とキャラデザ部門に分かれて」とか「スクリプトの時間割を」とか説明していて、どうやら気に入られてしまう。

なぜかそこで、「41にもなって未経験業種で中途入社とか無理すぎ」と思う。なるほど、たしかに女友達がこれから結婚してすぐ子どもを産んだとしても、小学校中学年になるまで待ったらそんな年齢に近くなる、と目を覚ましながら思った。

昼寝の夢

2008年11月23日
夢の中で仕事してた。文書をコピペして編集、しかして見覚えのない略称で書かれているこの機関の正式名称は? とサーチしまくるのだが、その略称が「子猫」なので、まったくお手上げ、という夢らしい支離滅裂さにあふれ、わたしは夢にありがちなやってもやっても達成できない、という焦りに溺れていた。

昼寝の前に『猫文学大全』を読んでいたせいだろうか?

とうとうダウン

2008年11月14日
主には精神的な過労と、昼食時間が毎日変動するのが続いていたのがいきなり一段落した緊張感のゆるみが主原因だろう。昨日、定時より30分ほど早く早退してかかりつけ医に寄り、処方された薬を飲むまで、風神雷神がおでこの内側でドラムソロやってるみたいな酷い頭痛と全身の寒気で、インフルエンザだったらどうしようかと思ったけども風邪の症状だった。

で、眠りすぎるとよくないので、薬を飲むための昼食がてら、こうして起きている。昨夜は横になって読み差しの本を2冊読み終えてしまい、注文したウディ・アレンの評判の短編小説集はまだ届かない。映像家の書く文章というのはたいていはずれがないので届くのを楽しみにしているのだけど、もしかして午前中、薬の効き目でぐっすり寝ているあいだにチャイムが鳴らされていたりしないだろうか、と不安になる。かといって階下のポストに不在票を確認しに行くほどの元気もなし。
というか、理解したと思い込まれるのが困る。別人格なんだから完全な理解とかありえないし、もし一瞬でも完全な理解があったとしても、その一瞬後にはもうその理解は当てはまらない。というか、一瞬であろうとなんであろうと、他者の完全な理解なんて思い込みと妄想の中にしかないんじゃないかな。

それでも理解し合うことが困難だという感覚さえ共通(共有、じゃなくて)していれば、まあなんらかの共通理解は持てるんだろうけど、この感覚を求めたい人に限って「そんなの寂しいじゃん」と感情論で混ぜっ返してくる。で、お決まりの「ぼくはきみのことがわかるよ」。

ええと、それはいったい何を根拠に? そして、理解してあげた、という見返りになにが欲しいのですか? 理解されることが求められているなら、わたしはあなたの母でも神でもなく、あなたもわたしの子どもであるところの三歳児でも、すべてをわたしに審判されることを当然として行動しているわけでもないのだから、無理です。

「ぼくたちは似てると思うんだ」。あー、それって目がふたつで鼻と口がひとつで耳がふたつあるところですよね? まあこのパーティ会場にいる人はほぼ99%、そういう意味じゃ似た者同士だと思いますよー。ていか中学生女子じゃあるまいし、似た者同士でつるんで楽しいか? わたしは性格も考え方もまるっきり違う相手だからこそ結婚したんだけど。だってそのほうがアドベントカレンダーを開けるみたいに退屈しないし。

…なんだろうなあ、彼に対するわたしの愛情って、そんなに薄いように見えるのだろうか。薄いどころか、水とか空気レベルで生活必需品どころか生存必需品なんだけど。まあ、この感覚が「理解」されれば、だれも無駄に口説いてきたりはしないんだろうな、と思うと、一瞬でも完全な理解ってやつが持てればいいのに、と思う。

今朝の夢

2008年11月9日
珍しく、知ってる人がたくさん出てくる上に、場所は実家のリビング。夢のテーマはたぶん疎外感。

友だちそれぞれがいくつかのグループに分かれて文芸系の同人誌やミニコミを作っているんだけど、わたしが書きたいもののカラーはどこにも合わないので、なんとなく1人同人誌にするしかないのかな、とうじうじしている。

それなら資料調べて膨らませなきゃ、と思っているものの、みんながわいわいやっている部屋を出て行くふんぎりがつかずにいると、一人が察して「一緒に図書館行こうか?」と言ってくれる。しかしその時点で夕方五時半で、図書館は六時まで。「今から行ってもなあ…」というところで目が覚める。

今日の夢

2008年11月3日
今朝、とはいえないほど遅く起きたので。

なにか理系の研究所。3~4階建てメゾネットタイプの建物で吹き抜けがあり、すべての階の物音が筒抜け。そういう構造なのに、すべての階の研究者に露骨に言い寄られて参る。誰一人として好みじゃないし。

夢に知っている人が出てくるということがほとんどないのだが、今日もそう。しかも、言い寄る人々の特徴がなさすぎて、好きになるどころか嫌いにもなれない印象の薄さ。目覚めてのち、同じ顔の人物に街角で鉢合わせたとしても、なにも思い出さないだろう。

今朝の夢

2008年11月2日
なぜか高校生。で、まったく興味のない男子Aに岡惚れされて、その男子を好きな女子Bに憎まれるという内容なのだが… 女子の親が地元のやくざで、その子分とかに追いまわされたり脅されたりするも、なぜかそいつらを含めてHRで話し合い。

とりあえず女子Bに、わたしに関してあることないこと面白おかしく話していた女子Cに詰め寄るわたし。

「男遊び激しいらしいとか言ったらしいけど、どういうことですか? ソースは?」
「…」
「知らないと思うから言っておくけど、わたし低体温低血圧で臓器も悪いんで、男遊びとかできる体力的余裕がないんだけど」
「…」

女子Cがだんまりを決め込むのがむかついて、声を荒らげたりしていた。途中で目が覚めてきて、「現実だったら親子ともども訴えるか、訴えないかわりに転校してもらう話し合いをするかな」とか考えていた。

今朝の夢

2008年11月1日
仕事でそうとうストレスがたまっている、その反映のような内容だった。

時にヤクザっぽい、時に知識人っぽいおっさんの執拗なからかいに、ビールジョッキいっぱいの牛乳(…なぜ)をぶっかけてしまう。その後なぜかおっさんの連れている熟美女とおっさんに、「和装の花嫁姿ぜったい似合うからやったほうがいいのに」とか和やかに話してた。

熟美女は昨日見た、金魚の刺青のあるやくざ稼業の女の話からだろうけど、ビールジョッキに入った牛乳は? しばらく飲めないという状況の可視化だろうか。

ハロウィンだった

2008年10月31日
スモウレスラーな人とか不思議の国のアリス(しゃくれ)とかを見たけど、魔法使いやガイコツはいなかったなー。笑いが取れるものか、普段はできないかわいい系がやっぱり多いのだろうか。

電車に乗ったら、酔って体が斜めになって座席3人分くらいを使って寝ているスーツの赤ら顔の男性の、そのスーツの裾の、パンツとの間にフライドポテトが?! と思ったら、彼の足元にじゃがりこの箱と中身が散乱してた。ハロウィン飲みでつぶれるにも、金曜飲みでつぶれるにも、あまりにも早い時間だけど、どうしちゃったんだろう。

地元に戻ってきたら、去年はひとかかえもあるような巨大なタランチュラをメインに飾り付けてたうちが、フィルムシートに鎌持った死神が等身大に描いてあるのを飾ってた。しばらく前から蝋燭+蝙蝠や蜘蛛の風除けの飾り付けを塀の上に何箇所かつけていて、いつだったか夕暮れにそれを携帯のカメラで撮ろうと真剣な顔の女の子がいたっけ。蝋燭のあかりが風でちらちらするせいか、撮りづらそうだった。

パーティの花たち

2008年10月27日
インヴィテーションカードに使われていた色を、いろんな種類の花でなぞるようにブーケをまとめてもらって会場に。案の定、「いいね、この蛍光っぽい感じが!」と気に入ってくれたようで、メインのフロアに入るところに飾ってくれる。作品を見るひとたちがときおりその花に目を留めて、一組はじっと花を見ながら「…なんか、かわいいお花がいっぱいあるぅ」「ねー」と言っているのを立ち聞きして心の中でガッツポーズ。

しかし、作品への期待度の高さと、実際の作品の細やかさで、来る人が多い上に、来た人がなかなか帰らないので、あまり集中して鑑賞できなかった。

ので、平日の夜に再訪。すると、あの日贈られていた花の中で、わたしの贈ったものだけが見当たらない。ほんとに気に入って、自宅に持っていってくれたなら、うれしいなあと思う。そうじゃなくて花の鮮度が悪くって、翌日には枯れていたなんてことがなければいい。

そして今度こそ、じっくりゆっくりと、作品を扉にして、妄想の世界へ…
注射が苦手だ。

健康診断で採血のかわりにバリウムをもう一回飲めといわれたら、迷わずうなづくだろうほどに苦手だ。採血や注射が終わると、針のささっていた腕の先の掌は、いつもじっとりと汗ばんでいる。

というと、いわゆるヘタな看護士に当たったのではないかと思われるかもしれないが、血管がなかなか探し当てられずに皮膚の下を刺し込んだ針で探られて痛い思いをするとか、刺した針の勢いがありすぎて血管を破られる、点滴の針の先が血管ではなく筋肉に刺さっていていつまでも体内が解毒されない、などという目には、ただの一度も遭ったことがない。むしろ、血管が探しにくいわたしの腕から、よくぞみなさんいつも手際よく刺すべき管を見つけ出すものだとさえ思う。

それにしても、この注射に対するわたしの恐怖はどこから来ているのだろう。ほかに物理的なもので怖いのは、テーブルの、落ちそうなくらいはじっこにある液体の入ったグラスだとか、狭い空間などであって、どれもお互いに恐怖を感じる関連性が探り出せない。強迫性障害的、というおおまかなくくりが考えられるだけだ。

が、しかし、注射、いや注射針に関しては、幼いころ読んだとあるマンガがもしかすると影響しているのかもしれない。そのマンガでは、うっかり血管内に針が入ってしまい、通常であればそれは血流に乗って心臓に達し、そこに傷をつけ、それによって死がもたらされるであろうと予想されたものの、なぜか針は心臓に達っする前もあともどこも傷つけずに、針が入った同じ傷口から排出されるのである。

しかし、それはマンガである。そういうことは通常起こりえないからこそマンガの題材となりうるのであって、採血の際に、なにか不可抗力が、たとえば看護士が突然の心不全で意識を失い、わたしの血管に注射針を刺したまま前のめりに倒れる、とか、点滴の最中に大地震が起こり、横揺れで飛んできたなにかが点滴針に当たる、などということがあれば、針は血管や皮膚を突き破り、無駄に酸素を体内に招き入れなどして、かならずやわたしに死をもたらすであろう。そういう恐ろしい妄想が、注射や採血や点滴の際に、わたしの脳裏には切れ切れに思い浮かぶのである。

そして、その妄想を絶つことは、なかなかできない。もはや、恐怖の注射針という実体が問題なのではなく、注射針への恐怖という実体のないものが問題なのだ。
体調を崩してしまって食べられるものに制限ができてしまった。

ので、前々から気になっていたベジタリアンな料理でもはじめるか、と思う。なにせ、ベジタリアン料理って、外食するとえらくお値段が張る。しかもどこもなんだか盛りが少ないのだ。

といっても本格的にベジタリアンじゃなくて、お肉はなるべく避けるけれども、お魚はぜんぜんありの、なんちゃってベジタリアン。ガマンし切れなかったら禁止食材も少しは食べます。ストレスで体調を崩してるのに、そのための食事療法でまたストレスがかかったら、意味がないし。

とりあえず手に入れたいのは、ベジタリアンなスイーツのレシピ本。だけど大本命は今年の5月に出たばかりなのに絶版中…
さすがに時間が長いせいか、いろいろ喚起される。お尻と脚の境目から太もものあたりをマッサージされているときなどは、触られているのとは逆の太ももに、かすかにマッサージ嬢の手がかする、そのあえかな感じがたまらない。

とはいえコースを強めのリンパマッサージにしたので、うっとりしていられたのは最初のうちだけで、太ももから膝に手が下りてくると、リンパが詰まっているのかたいそう痛い。さらにふくらはぎに行くともっと… 脚だけでなく、肩や背中などは螺子が何本か入っているのではというくらい、あちこちでごりごりと音がしていたが、それらをすり潰すかのようにマッサージは執拗に続いた。

という具合で、昨夜のマッサージ、終わってみるとほぼ全身筋肉痛状態。そのあと喫茶店に行き、小松菜ときのこのガレットを食べ、カップから立ち上る空気の対流が芳香というのがふさわしいお茶をお代わりし、甘く煮た豆の載っている豆乳寒天を食べたりしながら11時くらいまでぼんやりすごして帰宅。一週間の疲れのせいか、マッサージで循環がよくなったせいか、やけに眠い。わたしが帰ってからほどなく、個人仕事の打ち合わせで飲んで帰ってきた彼は、ベッドで座ってTVを見ているわたしの体に手を回し、わき腹あたりに顔をうずめて寝てしまった。

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