ねこのこと

2009年6月19日
しかし、一緒に寝るなどという殊勝なことをこの猫がしたのはこの一晩だけだった。体にメスを入れられたり、生まれて初めての麻酔で調子がおかしかったりとかで、気まぐれに人間に守られる夜を過ごす気になったのだろう。というのも、手術をした子猫の時分から表情も振舞いも大人びていて、だっこされるのが嫌い、優雅に叱責するかのような一方的なおしゃべりを好み、人間がご機嫌取りのような赤ちゃん言葉などを使うと心底、呆れたような顔をしてため息をついたりと、単なるかわいこちゃんとして扱われるところを拒否するかのようなところがあったのだ。

以前飼っていた猫は彼女とはまったく違って、ごくふつうの、猫なりに心優しく思いやりのある猫で甘えん坊でもあり、枕にアゴを載せて一緒に寝たりなどしていた。だから、外側だけは猫なのだが、中身では自分を人間もしくは人間を使役する者だと思っているらしいこのツンデレな彼女のありようには、今でもずいぶんびっくりさせられる。

ちなみに冬の寒い時期であっても、この都会で一年にほんの2、3日、雪が降るというような冷え込みででもなければ、布団に入ってくることもなく、入ってきてもある程度、彼女があたたまると、即、布団から出て部屋のお気に入りの場所に戻ってしまう。朝までいっしょに、なんていうのは、だからやはりあの手術の翌日だけなのだ。

とはいえ、さいきん寄る年波のせいか(彼女ももう10年近く生きているので、猫年齢で言えば熟年世代なのだ)、こちらが腰掛けていると、揃えた膝の上に乗ってくるようになった。それも特に寒い季節でもないにもかかわらずなので、もしかするといっしょに寝る、というようなこともあるのかもしれないな、と思っている。

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