執事みたい

2006年11月1日
わたしのうちに来た彼は、彼本来の有能さで、まるで執事のように立ち働く。

朝、顔を洗ってくると、ベーコンエッグとトーストが焼けているか、お茶碗にごはんが盛られ、わたしが出勤すると食器を洗い、ベッドを整え、ゴミを出し(燃えるゴミの日にはなんと、トイレの汚物入れまでさらって)、米を研いで炊飯予約をし、わたしよりずっと専門的な仕事に出かけ、夜、帰ってくれば、肌を合わせる合わせないに関わらず、全身をマッサージして、わたしの仕事のネタ出しにつきあい、それからわたしを寝かしつける。

休日ともなれば、自分のものも含め、洗濯機を回し、ストッキング一枚まで丁寧に皺を伸ばして干し、乾いたものをたたみ、仕舞う。食材の買出しも、いちいち煩く言わなくとも、わたしの好みに応じたものを買ってくるようになった。

このままでは、わたしは、仕事と、趣味の範囲のような夕食作り以外、なにもできなくなってしまうのではないだろうか、とさえ思う。

それに加えて、朝起きれば

「朝、目が覚めて、あなたが横にいることが、こんなに幸せだなんて。」

とか、ただ単に、頬を触りながら髪をかき上げてキスを繰り返したり、夜にはわたしがマッサージされながら

−わたしは同じことをしてあげられないのに、どうして毎日そんなにケアしてくれるの?

と聞けば、

「同じことしてほしいなんて、思ってない。」

と、うっとりとわたしの手や腕をマッサージしながら、甘い言葉を言う。

おかげで、わたしは、すっかり甘い空気の中毒になってしまったらしい。彼が出張でいない日は、夜には必ずスカイプか携帯に連絡が来ると知っていても、ついつい甘いものに手が出てしまう。

マッサージのときに、果物やチョコレートの甘い香りに包まれている、条件付けのせいかもしれないけど。

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